北海道目梨郡羅臼町礼文町有る、羅臼国後展望台へ行って来ました。
羅臼町の中心市街地にほど近い海抜１６７ｍの高台にある羅臼国後展望塔から、国後島の雄大な姿を一望することができます。
また館内には、北方領土問題を開設した展示コーナーもあり、展示資料等によって、北方領土問題を理解していただき、返還運動への皆さんのご理解とご参加により、一日も早い北方領土の返還を目指すために開設しております。
残念ながら今回は、雲海で国後島は見えませんでした。
北方領土の歴史
１６３５年（寛永１２年）、北海道を支配していた松前藩は、北海道全島及び千島、樺太を含む蝦夷地方の調査を行いました。
１６４４年（生保元年）の幕命により諸藩から提出された国絵図に基づいて、幕府が作成した日本総図（いわゆる「生保御国絵図」）には、「くなしり、えとろほ、うるふ」などの島名がはっきり掲載されています。
ロシア人が初めて得撫（うるっぷ）島に来て、長期滞在して年越ししたのは、１７６６年（昭和３年）ですが、住民の反抗にあって翌年帰国しています。
その後、ロシア人は再々この方面に進出して、住民との間に衝突が絶えない状況でした。
千島へのロシアの活発な進出を知った幕府は、みずから北方の島々の経営に本格的に取り組むこととし、１７８５年（天明５年）及び１７９１年（完成３年）に最上徳内らを調査に派遣しました。
同人は国後島から択捉島に渡ってロシアの南下状況を克明に調査し、さらに得撫島に上陸して同島以北の諸島の情勢も察知しています。
幕府は、国防上、千島、樺太を含む蝦夷地を直轄地として統治することとし、１７９８年（寛政１０年）、大規模な巡察隊を同地方に派遣しました。
このとき近藤重蔵は最上徳内と共に国後島、択捉島を調査し、択捉島に「大日本恵登呂府」の標柱を建てています。
翌１７９９年から１８００年にかけて、近藤重蔵は高田屋嘉平らとともに、再び国後島、択捉島に渡り択捉島に本土の行政を移入、郷村制を施き、１７か所の漁場を開くとともに幕史を常駐させました。
また、航路や港の整備などにより、色丹島、国後島、択捉島の本格的開発が始められました。
１７００年代の後半になると、ロシアの千島列島進出に警戒を深めた幕府は、北方の島々の経営を本格的に取組むようになり、国後島、択捉島を中心に最上徳内、近藤重蔵らを派遣し実地検査をおこない、択捉島に「大日本恵登呂府」の国土標柱を建てると共に、択捉島及びそれより南の島々に番所を置いて外国人の侵入を防ぎ、これらの島々を統治しました。
条約が語る北方領土
１８５５年（安政元年）、伊豆下田で「日魯通好条約」が結ばれ、初めて平和裏に両国の国境線が択捉島とウルップ島の間に決められました。
その後、１８７５年（明治８年）には「樺太千島交換条約」、１９０５年（明治３８年）には「ポーツマス条約」が結ばれるなど北方地域の国境線は変貌を遂げましたが、北方領土は一度も外国の領土になったことはない、日本固有の領土です。
知床・羅臼町
羅臼町は、根室海峡（オホーツク海）をはさんで、今はロシア領となった国後島と相対する国境の町です。
町の大部分は山岳地帯で、平地は少なく、海岸線は断崖絶壁がつづき、変化に富んでいます。
むかしから漁業のまちとして栄えてきたところで、秋のサケ定置網漁、冬のスケトウダラ漁を中心にホッケ・カレイ類・コンブなどが水揚げされ、また、山岳地帯では、酪農も行われています。
観光面はもちろん、知床探勝の基地であり、とくに、昭和５５年知床横断道路が開通してからは、訪れる人が多くなりました。
羅臼岳・知床岳などの山岳美と、そこに咲ききそう高山植物、奇岩がつづく海岸線、オジロワシ、オオワシ、トド、オットセイ、アザラシの野生動物など「最後の秘境」といわれる大自然に包まれています。
また、羅臼温泉や海辺の露天風呂で知られる瀬石温泉・相泊温泉など、温泉も豊富なところです。
（瀬石温泉は岩場の亀裂に湧き出る温泉で引き潮のときだけ、入ることができます。相泊温泉は海浜の温泉で７月中旬～８月下旬まで利用できます。）
