余市川と余市橋です。【余市町】

余市町・余市川

北海道では数少ない、アユの釣れる川として知られていて、毎年7月、8月には、北海道各地から、ここ余市町余市川に釣りマニアが集まって来ます。

秋には鮭も上って来る川です。

余市川というと鮎を始め、ヤマベやアメマスの釣りで知られております。

中でも特に『鮎』のイメージが大変強く、毎年7月と8月の2ヶ月間『アユの解禁』時期に入ります。

漁期には道内外から約2万人の釣り人集まって来ます。

本州方面の方にはさほど珍しい魚ではないアユは、北海道では大変貴重な川魚なのです。

なぜならこの余市川は『北限の鮎の釣り場』と言われ、北海道では『鮎』の遡上する川は大変少ないのです。

(昔アユは石狩から宗谷館内にかけての川や沼で生息が確認されたことがありますが、今は余り釣れた話は聞かなくなりました。)

余市川の鮎釣りは大正の初め頃から乱獲が目立ってまいりました。

そこで早くも大正10年には余市町で人工孵化を手掛けるようになりました。

しかし、昭和30年代に鮎が絶滅の危機に陥ったことがあります。

余市川沿いにあった、アユ料理を提供してから約55年の歴史がありました『ホテル水明閣』(現在は閉店しております。)がこれを切り抜ける為、余市郡漁協の協力で更に人工孵化事業に力を注いで来ました。

今では自然孵化したアユは勿論の事、人工孵化したアユ・滋賀県琵琶湖産の『稚鮎』をこの川に放流し、7月1日のアユ解禁に備えております。

平成3年からは『鮎釣り大会』を開催しており、今では本州方面の『鮎釣りマニア』まで評判となり、毎年500人~600人の人達賑わうそうです。

鮎は別名『香魚』と呼ばれ、ここ地元の人に言わせますと『余市川の鮎はメロンやスイカ、時にはキュウリの香りがする』と言われております。

『アユ料理は何と言っても塩焼きとフライ、丸ごと頭からガブリと食べると、アユの香ばしさが口の中に広がる』と余市川沿いの『あゆ見荘』のご主人は語られておられます。(あゆ見荘も現在は閉店しております。)

鮎の生態は?と申しますと、幼魚の時は海で過ごし、やがて春から夏にかけて川の上流へと上がって来ます。

秋になると体長20Cm~30Cm位に成長し、上流から中流に戻りそこで産卵すると間もなくその一生を終えるのです。

アユの生命は1年と言われ、そんな事から『年魚』と言う方もいます。

余市川上流に新たに誕生したリゾート地や、農家で使う除草剤、家庭排水などでアユの住む川が汚染されぬ様に、鮎が生息できる川の有り難さをいつまでも誇りに出来る環境を作りたいものです。

余市町の概要

余市町は積丹半島の付け根に位置し、変化に富んだ美しい海岸線はニセコ・積丹・小樽海岸国定公園に指定され、温暖な気候は農業を育て、人を育み、日本海に面している事から漁業の町として歩んできました。

農業の主役は余市リンゴに代表される果樹栽培で、郊外の緩やかな丘陵地や平地には春は、あちらこちらで花が咲き、あたかもウィーンの郊外を思わせる風景は異国情緒を掻き立ててくれます。

また、夏から秋にかけては色々な果物がたわわに実り、大勢の観光客が北海道有数の果物の町に訪れます。

観光と言えば果物目当てのお客様ばかりではなく、日本のウィスキーを代表する「ニッカウヰスキ北海道工場」には年間を通じて約40万人もの観光客が見学に訪れ、余市町の観光のシンボル的存在になっております。

町の総面積は約140平方km人口は約2万6千人で、今この町が目指しているのは「田園都市」という新しい街づくりで、「はばたけ余市町21世紀」をスローガンに市街地の再開発に乗り出しております。

余市橋

下を流れる川は余市川です。旧余市橋は昭和33年竣工したもので、老朽化が激しく橋の幅員の問題もあって、平成6年から新余市橋の架け替え工事に着手、平成10年に完成しました。

(新余市橋は延長198m、幅員18m)

ところで余市川というと昭和36年、37年と二度にわたって氾濫を起こし、河口の大川橋、上流の鮎見橋が流されたり堤防が切れるなど、黒川市街が大洪水に見舞われ大きな被害を受けました。

これらの教訓を活かして、余市の町を洪水から守るため、昭和59年から余市川の河川改修事業が始まり、堤防の改修、余市橋・大川橋の架け替え工事が行われています。

更に、平成8年11月には積丹半島を取り巻く国道229号線が全面開通し、メインとなる余市町の交通量の増加を見込んで、国道、道道の整備が進められています。

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