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知床国立公園です。【世界自然遺産知床半島】
知床国立公園です。【世界自然遺産知床半島】
知床半島の山々です。
右から羅臼岳1661m。三峰岳1470m・サシルイ岳1564m・オチカバケ岳1463m・硫黄山1563m
羅臼岳から知床半島先端に向かって並ぶ山々の、一群の終わりは硫黄山です。
ほぼ50年おきに、溶けた硫黄を噴出するという変わった活火山です。
江戸時代から硫黄を採掘した記録もあり、昭和11年の噴火はまだ記憶に新しいと言えますし、そろそろ噴火の年代になって来ました。
その硫黄が滝となって流れたカムイワッカ川(アイヌ語で悪魔の水の意味)には、温泉がわいて滝つぼが天然の湯舟になっているところがあり、秘境ブームに乗って脚光をあびました。
知床五湖あたりから眺める硫黄山は、山頂部分白や赤茶色の岩肌もあらわですが、右端の羅臼岳は黒々とした溶岩の積み重なりに見えます。
ねばり気の強い溶岩を何回も噴出してできた溶岩円頂丘で、山頂付近から北斜面を伝って流れながら固まった溶岩の様子も望まれます。
羅臼岳から硫黄山まで縦走する登山路はありますが、キャンプが必要です。
途中にあるサシルイ、オチカバケの呼び名は、南側に流れる川と同じで、アイヌ語の意味は『昆布の多いところ』、『鷲の住むところ』と伝えられています。
知床の高山地帯には、ハイマツに囲まれるように高山植物のお花畑があります。
この中にはシレトコスミレやメアカンキンバイ、チシマクモマグサなどのように地名をいただく花もあり、蝶にもカラフトルリシジミ、ヒメカラフトヒョウモンなど、北方系の珍種も生息しています。
頂上からの展望は言うに及びません。
眼下に知床峠、東方わずか30kmの海峡をへだてて国後島のひろがりに目を見張り、知床連山の樹林の中に水鏡を数えるのも、羅臼岳ならではの楽しみです。
知床国立公園のあらまし
日本最後の秘境知床半島は、オホーツク海に突き出た、長さ65㎞の細長い知床半島で、遠音別岳・羅臼岳・硫黄山・知床岳と、1000m級の山々が連なって、知床半島の背骨を形づくっています。
うっそうたる原始林が知床半島全体を包み、切り立った断崖にかかる数知れない滝や巨岩・怪石の海岸線、あちこちに湧き出る温泉、そして知床五湖。まさに野生美あふれる大自然の秘境です。
高山植物のチングルマ・シレトコスミレなどが見られ、天然記念物のオジロワシ・オオワシを始め、ウミウ・ケイマフリなどの鳥たち、また、動物ではヒグマ・キタキツネ・シマリスなどが陸上に、トド・アザラシ・オットセイが海上で生活していて、知床は、動物たちにとっても天国のようです。
このような自然の姿を、作家の戸川幸夫さんは、「単に景色の美しいというところは、狭い日本でも各地にある。雄大な景色も決して少なくない。
だが、人の心の奥深くまで溶け込んで、魂をゆさぶり、いつまでもとらえて放さないという自然を持っているところは、極めて少ない。知床はその尤なるものである。」と語っています。
(尤=大変すぐれていること。)知床はアイヌ語の「シリエトク」(大地のゆきづまり、つまり、地の涯)という意味です。(昭和39年国立公園に指定、面積約4万ha)
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