北海道神秘の湖・摩周湖 『摩周湖の伝説です。』
摩周湖の伝説
それでは作家の林芙美子が「ホクロのような」と表現した、摩周湖中の島にまつわる伝説をご紹介しましょう。
昔、ある平和なアイヌコタンがありました。ところが、ささいなことから、となりのコタンとの争いが起きるようになり、日増しにその戦いははげしさを増していきました。
ある夜の事、村長(オテナ)の家族がだまし討ちにあって、皆殺しにされそうになりました。
村長の母親は、息子の忘れがたみである幼い孫を抱きかかえ、闇にまぎれて、敵の追手から命からがら逃げだしました。
ところが、暗い野山をさまよい歩くうちに、大事な孫とはぐれてしまいました。おばあさんは、孫の名前を声をかぎりに呼びましたが、むなしいこだまが返ってくるばかり・・・。
目をこらして探そうにも、黒々とした森の中では、見つけることができません。
悲しみにくれながら、何日も何日も疲れきった足で探し歩いて、とうとう、屈斜路湖畔にたどりつきました。
足は傷だらけ、心も体も疲れていたおばあさんは、湖の神様に一夜の宿をお願いしました。
ところが、なぜか神様の返事はありませんでした。
それで、今度はここのカムイヌプリ(摩周岳)にお願いすると、「いつまでも休むがよい」と快く宿を貸してくれました。
ホッと胸をなでおろし、足を伸ばして横になったおばあさんは、そのままぐっすりと寝てしまいました。
そして長い事眠ってしまったので、摩周湖に浮かぶ中の島になってしまったということです。
ですから、今でも、このあたりに人が来ますと、大事な孫が訪ねてくれたのかと思ってむせび泣き、その涙が雨や霧になるのだと言い伝えられております。
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