釧路湿原国立公園『丹頂』です。

釧路の丹頂

釧路湿原は、まさに動物たちの薬園ですが、その中でも代表されるのはタンチョウです。

タンチョウは、羽根を広げると2mを超え、体重も7~12kgと、日本では最も大きな鳥です。

その姿の優雅さ、気品の高さから釧路「湿原の貴婦人」とか釧路「赤いベレーの恋人」と呼ばれ、昭和27年には、国の特別天然記念物に指定されています。

また、ツルの仲間は世界に14種(日本には6種)ほどですが、このタンチョウだけは特別扱いで、クロヅル・ナベヅル・マナヅルなどのように、日本名(和名)のうしろの「ツル」をつけません。

学名も「日本のツル」という意味です。

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タンチョウは、江戸時代後半まで、北海道はもちろん、本州各地で見られましたが、開発と捕獲によって減りつづけ、明治の末には、その姿を見かける事がむずかしくなってしまいました。

しかし、その後、釧路地方で、わずかに生存していたツルの餌付けに成功(昭和27年頃)するなど、努力の甲斐あって、現在では800羽を超えるほどまで回復しています。(2004年1月調査)

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この鳥は、中国やロシこアでも生息の記録はありますが、はっきりとした数はわからず、今や釧路湿原がタンチョウに残された最後の楽園と言えるようです。

タンチョウは春、湿原の上にスゲを積み重ね、直径1~2m、暑さ50cm位の大きな巣をつくります。

卵はニワトリの4倍ほどの大きさで、普通は2個生み、オス・メス交代で温め、ひと月ほど(32日前後)でヒナにかえします。

ヒナは3カ月で親と同じ大きさに成長し、飛べるようになりますが、このころは、まだ頭から首にかけては薄茶色で、トレードマークの赤いベレー帽はかぶっていません。

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これは一人前になるにつれて、次第に色づいていくのです。

タンチョウは、小魚・昆虫・カニ・カエル・水草などを好む雑食性の鳥です。

夏は、湿原の奥深く、家族単位で暮らし、動物質の餌を多くとります。

冬になると集団生活をはじめ、近くの農家や学校の生徒達が与えてくれる、そば・トウモロコシ・ドジョウなどをついばみ、夜は凍らない、川の浅瀬に立って眠ります。

川の中の方が暖かく、外敵におそわれることが少ないからです。

青く晴れた空に、雪よりも白いタンチョウが美しい舞を見せ、よく透る鳴き声を聞かせてくれるのは、ちょうどこのころです。

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